今まさに夕飯の買いものをしながら、そんなことを思っていませんか。
寒い夜に恋しくなるもつ鍋。せっかくなら、おいしい日本酒もあわせて飲みたいですよね。
実は、お酒の選び方ひとつで、いつものもつ鍋がぐっとおいしくなります。
ここでは、日本酒のプロである唎酒師の私が、スープの味や脂のコクに合わせた日本酒の選び方、厳選したおすすめ銘柄を分かりやすく紹介します。
読み終える頃には、すぐにでも日本酒を買いに行きたくなるはず。
ぜひ最後までご覧ください!
Table of Contents
もつ鍋と日本酒が相性抜群な理由
もつ鍋と日本酒は、お互いの旨みを引き立て合う相性ぴったりの組み合わせです。
こってりとした脂のコクに、日本酒のやさしい甘みや酸味が調和して、口の中をすっきり整えてくれます。
まろやかな口当たりが全体を調和させ、ビールや焼酎にはない繊細な味わいを生み出します。
ここでは、日本酒ともつ鍋の相性についてわかりやすく説明します。
もつ鍋をじっくり味わうなら、やっぱり日本酒!
日本酒が脂の旨みを引き立てる

もつ鍋の脂の旨みを味わうには、日本酒が最適です。
日本酒と合わせれば、脂のコクがよりまろやかになり、全体の味わいに深みが生まれます。
これは、日本酒に含まれるやさしい甘みとほどよい酸味が、脂のしつこさを和らげてくれるから。
単に「重さを消す」のではありません。
脂の旨みを包み込みながら引き立てることで、最後まで飽きることなく食べられます。
米の旨みをしっかり感じられる純米酒や純米吟醸を選ぶと、口の中でバランスよくまとまります。
脂のコクを活かしつつ、後味はすっきりとしたキレが残り、飲み進めるほどに味の一体感を感じられるでしょう。
脂の旨みを引き出し、もつ鍋をより上品な味に引き上げるのが日本酒の力です。
濃厚な鍋にこそ、日本酒を合わせると味に深みが生まれますよ。
スープの味に馴染む日本酒のバランス感

もつ鍋と日本酒の相性が抜群なのは、日本酒が持つバランスの良さにあります。
甘み・酸味・旨みの調和がとれているからこそ、スープの味にスッと馴染み、全体をやさしくまとめてくれます。
日本酒は、どんな味にも寄り添える相性の幅が広いお酒です。
やさしい甘みはスープの塩気をやわらげ、ほどよい酸味は脂の重たさをすっきり整えてくれます。
醤油ベースのスープには、米の旨みと酸味のバランスが取れた純米酒がベスト
塩ベースのようなあっさり系には、軽やかで香り高い吟醸酒がぴったり
もつ鍋と日本酒の相性の良さは、日本酒が持つバランス感があるからといえます。
スープの味に自然に馴染み、全体をやさしくまとめてくれる日本酒は、旨みたっぷりのもつ鍋になくてはならない存在です。
もつ鍋にぴったりな日本酒3選
もつ鍋には、スープの味やコクに合った日本酒を選ぶことが大切!
ここでは、次の3本をご紹介します。
- 伯楽星 特別純米|醤油ベースのもつ鍋におすすめ
- 七田 純米 山田錦 七割五分磨き|味噌ベースのもつ鍋に最適
- 南 純米吟醸|塩ベースとの相性抜群
醤油・味噌・塩など、スープの味に合わせて日本酒を選んでみてください。
伯楽星 特別純米|醤油ベースのもつ鍋におすすめ

「伯楽星 特別純米」は、すっきりとした飲み口で、濃いめのスープやもつの脂をさっぱりとまとめてくれます。
「伯楽星 特別純米」のコンセプトは「究極の食中酒」。
軽快な酸味とキレの良さがあり、醤油の香ばしさを引き立てながら、脂の重たさを感じさせないお酒です。
口当たりがやさしく、余韻が軽やかなのも特徴です。
冷酒にすると、さらに透明感が際立ち、さっぱりとした後味に。
もつの旨みとスープのコクを楽しみながらも、飲み疲れせず、最後の一杯まで心地よさが続きます。
1人鍋はもちろん、友達との鍋パーティーにもぴったりの1本です。
すっきりとした飲み口で、醤油スープの旨みを引き立てる「伯楽星 特別純米」は、どんなシーンにも合わせやすいお酒です。
七田 純米 七割五分磨き 山田錦|味噌ベースのもつ鍋に最適

「七田 純米 七割五分磨き山田錦」 は、コクのあるスープの味に合わせながら、最後までおいしく飲み続けられるお酒。
「七田 純米 七割五分磨き山田錦」の特徴は、しっかりとした旨みと味の厚みです。
やや辛口ですが米の甘みもほどよく残り、味噌の深いコクとやさしく馴染みます。
脂の旨味+味噌のコク+酒の米の旨味が一つになり、ついついお酒が進んでしまうこと間違いなしでしょう。
おすすめなのは、ぬる燗から常温です。
お酒の旨みがより引き立ち、もつの脂やスープの甘辛さにスッと合わせてくれます。
寒い日の食卓で、ゆっくり味わいたくなるような、深みと温かみのある一本です。
もつ鍋を食べておちょこからクイっと飲めば、味噌のコクと脂の旨味、酒の旨味がやさしくまとまって口の中を通り過ぎていきます。
「七田 純米 七割五分磨き山田錦」は、濃厚なもつ鍋をじっくり楽しみたい方におすすめのお酒です。
南 純米吟醸|塩ベースとの相性抜群

南酒造場
塩ベースのあっさりしたもつ鍋には「南 純米吟醸」。
塩味のスープは味噌や醤油と比べると繊細で、強すぎるお酒を合わせると味のバランスが崩れてしまいかねません。
「南 純米吟醸」の特徴は、ほどよい酸味と軽やかな口当たりです。
スープの塩気やもつの旨みをやさしく引き立て、洋梨や果実を思わせる爽やかな香りが加わることで、さっぱりとした余韻が楽しめます。
たとえば、塩ベースのだしにキャベツやニラ、豆腐などを加えたシンプルなもつ鍋にこのお酒を合わせると、脂のコクが程よく中和され、しつこく残りません。
冷酒で合わせるとキレの良さが際立ち、だしや具材の風味を邪魔しません。
最後まですいすい飲めてしまいます。
あっさりとしたもつ鍋を楽しみたいなら、「南 純米吟醸」がおすすめです。
軽快で爽やかな飲み口が、食事全体をさっぱりとまとめてくれますよ。
温度で変わる!日本酒の楽しみ方
日本酒は温度によって飲み心地が大きく変わります。
合わせる料理や季節によって温度を変えるのも楽しみ方の一つ。
ここでは熱燗と冷酒、それぞれの特徴とどんなタイプのお酒がおすすめなのか解説します。
旨みが引き立つ!熱燗

熱燗は、日本酒の香りがふわっと立ち、酒の旨みを感じる飲み方です。
日本酒は温めることで、甘みや旨みがふくらみ、香りがやわらかく立ち上がります。
しっかりした味のお酒ほど、温めると角がとれ、ほっとするような飲み口になります。
コクのある純米酒を「熱燗(50℃前後)」にすると、米の甘みがふわっと広がり、やさしい飲み口に。
湯気と一緒に立ちのぼる香りも心地よく、飲むたびにじんわりとあたたかさが広がります。
熱燗は、香りと味の変化を最も楽しめる飲み方といえます。
寒い日の熱燗は、体を芯から温めてくれるはずです。
キレをプラス!冷酒

冷酒は、日本酒の味をすっきり引き締め、軽やかで爽やかな印象にしてくれる飲み方です。
日本酒は温度が下がると、甘みや旨みが控えめになり、酸味やキレが際立ちます。
冷やすことで香りを穏やかにし、シャープで清涼感のある飲み口に。
特に、香りが華やかな吟醸酒や純米吟醸酒は冷やすことで香りが引き締まり、口あたりがスッと軽く、より飲みやすくなります。
すっきりとしたタイプの吟醸酒や純米吟醸酒、繊細な純米大吟醸酒を5〜10℃ほどに冷やして飲むのがおすすめ。
冷やすことでキレが増して、フルーティな風味や爽やかさが際立ちます。
ひんやりとした口あたりが心地よく広がり、どんどんお酒がすすむでしょう。
冷酒は、爽快感と飲みやすさが特徴です。
食事の最初の一杯や、暑い日にすっきり飲みたいときにもぴったりな飲み方です。
日本酒と合わせるポイント&注意点

料理と日本酒を組み合わせるコツは、料理の特徴に合わせること。
日本酒は、甘み・酸味・香りなどのバランスによって料理との相性が決まります。
合わせたい料理の特徴によって日本酒を選べば、料理の良さが一層引き立つでしょう。
反対に、料理と合わないお酒を選ぶとそれぞれがぶつかってしまい、せっかくの持ち味が生かされません。
味噌や醤油のようなコクのあるスープには、旨みと酸味のバランスが良い純米酒
塩ベースなどあっさり系のスープには、香りが華やかでキレのある吟醸酒
さらに、温度も大切です。
コクのある料理には熱燗、さっぱりした料理には冷酒を合わせると、料理とお酒がしっくり馴染みます。
「料理と喧嘩しない」ことが、日本酒を楽しむ最大のコツです。
ぜひ、食材や味付けに合わせた1本を選んでみてください。
まとめ

もつ鍋と日本酒は、お互いの良さを引き立て合う最高の組み合わせです。
脂の旨みをすっきり整えたり、スープの味にやさしく馴染んだりと、料理全体をぐっと引き上げてくれます。
- 醤油・味噌・塩など味付けに合わせて日本酒を選ぶ
- 料理に合わせて日本酒の温度を変える
熱燗でコクを、冷酒でキレをプラスすれば、シーンに合わせて味の幅が広がります。
今日のもつ鍋には、ぜひ日本酒を添えてみてください。
きっと、いつもの食卓が少しぜいたくな時間になりますよ。
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- 名前:KAZU
- 正体:普段は会社員として働いている、しかし仕事をしながらも頭の中では日本酒のことしか考えていないウマヅラ男
- 保有資格:唎酒師
- 趣味:日本酒を飲む、日本酒を眺める、日本酒飲みながら風呂に入る、飲んだ日本酒のラベルをコレクションする
- 覚醒のきっかけ:寒い冬の夜に飲んだ熱燗があまりにも美味しく、そこから私の日本酒愛が始まった
- 詳しいプロフィールはこちら→【プロフィール】日本酒が変態的に好きすぎる男
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唎酒師(ききさけし)の資格を持つウマヅラの男。どうも日本酒の変態 KAZUです。寝ても覚めても日本酒のことばかり考えて生活中。
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