長崎の日本酒【月のよさ】こんげん月はえっとなかばい

日本酒の変態 KAZU

唎酒師(ききさけし)の資格を持つウマヅラの男。どうも日本酒の変態 KAZUです。寝ても覚めても日本酒のことばかり考えて生活中。

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長崎の地酒「月のよさ」のラベルには、「こんげん月はえっとなかばい」という文字が書かれています。長崎に縁のない私には「…?」と思い、呪文のようで興味がそそられ、このお酒を調べてみることに。

すると「月のよさ」には美味しさはもちろん、長崎のよさがたくさん詰まっていました。なんといっても長崎にある古い歴史ある酒造が、究極とも呼ぶ自信作なのです!

記事を読んだ後には、長崎の風景や魅力をより一層感じられ、「月のよさ」をもっと美味しく味わえるようになるでしょう。

そして後半ではラベルの謎についても紐解いていきます。なんとそこには深い意味がありました…!

「月のよさ」は「長崎のよさ」

私は、月のよさを調査したことで長崎の風景やあたたかい情緒を感じられ、ぐっと身近に思えて、長崎のことが好きになりました。

そう、「月のよさ」には「長崎のよさ」が詰まっているのです。

130余年の歴史ある山崎本店酒造場で生まれ、「究極の特別純米酒」と唄われる自信作。月のよさの美味しさや魅力を深堀りしていきます。

島原に建つ山崎本店酒造場

画像引用:トリップアドバイザー 山崎本店酒造場

江戸時代、将軍家綱より島原移封を命ぜられた松平忠房とともに、分家して京都より島原に居を移す。当初、酢・醤油・ロウを作っていたが、明治17年より酒造りを始める。

 大正6年、全国新酒鑑評会に全国で第1位の評価を得る。酒造りに専念して130余年。 現在、日本酒・焼酎・リキュール等、100種類を超える商品を販売しております。

引用:山崎本店酒造場

こちらの酒造場に行かれた方の投稿で、室内に燕の巣がたくさん並んでいたのが不思議に思い、お店の方に聞いてみたそうです。

「燕は幸せを運んできてくれますから、大切にしてるんですよ。」とお店の方が答えられ、そういった言い伝えや伝統を重んじていることに感動をしたそう。

とても心温まる素敵なエピソードですね…!

そんな山崎酒造本店酒造場があるのは長崎県島原市

島原市は古くから水の都とよばれ、清らかな湧水は名水百選に選ばれています

美味しいお酒造りには美味しい水が欠かせないのです。

究極の特別純米酒

特別純米酒とは
  • 原材料→米・米麴
  • 精米歩合→60%以下、または特別な醸造方法

全国新酒鑑評会で三年連続金賞を受賞している山崎本店酒造場が究極の特別純米酒と称する月のよさとはどの様な味わいなのでしょうか。

酒のタイプ   軽快でなめらかなタイプ
精米歩合 (麹米)55%
     (掛米)55%
原料米品種 麹米 山田錦100%
      掛米 レイホウ100%
日本酒度 +3~+4アルコール度 15度以上16度未満

ラベル裏の表記には優しく柔らかい口当たりの中に、芯のある味わい美しい香り。ほどよいコクとふくらみ。15℃前後の冷やで、または常温で。燗の際はぬる燗が最適です。と記載があります。

実際飲んだ人の口コミはある?

  • 口に含んだ時に甘味と酸味、しっかり旨味を感じる
  • ほんのりと苦味を感じた後に旨味を感じる。心地好い余韻
  • 今時なフルーティなお酒ではなく、お米の旨味を感じられるお酒。さらりとやわらかな口当たり。
  • フルーティだけど後味に少しピリッと感じる。美味しいけど少し甘すぎ?

などの口コミがあります。

購入出来る場所や飲める場所は?

楽天やamazonでは見当たらず、現在購入できるのは山崎本店酒造場のみでした。

720ml税込価格(送料別):¥1,380
1.8L税込価格(送料別):¥2,700

手に取りやすいお値段なのもうれしいですね!通信販売を行っているのでHPから購入可能です。山崎本店酒造場HP 月のよさ

居酒屋などのお店で飲みたい!という方は、グラスで¥600~¥700程で飲むことが出来ますので地元のお料理と一緒にぜひ堪能してみてください。

長崎で月のよさが飲めるお店をピックアップしました。

月のよさが飲めるお店
  • 近海で獲れた鮮魚をはじめ、島原野菜や長崎和牛などの長崎県産食材を中心に扱う ダイニング藤蔵(フジクラ)(長崎市銅座町、新地中華街電停すぐ)
  • 長崎県産の新鮮な肉、野菜、魚介類を主に炭火でじっくりと調理 駅前炉ばた 甚十郎(長崎駅徒歩2分)

上記のお店以外にも、長崎には月のよさが飲めるお店がありますので、気になるお店に月のよさがあるか、お店の人に聞いてみましょう。

こちらでは他にも長崎のお酒を紹介しています。

ラベルから読み取る長崎の歴史

さて、気になるラベルにある文字について謎を紐解いていきます…!

月のよさのラベルにはある歴史上の人物の詠んだ歌が記されています。

「歴史かぁ…」私は学生時代、歴史の授業が大の苦手でした。なので調べ始めて後悔をしたことは言うまでもありません笑

ですが、結果的に調べた後には「あ、面白い!」と思うことが出来ました。私と同じく歴史が苦手な方にもそう思っていただけるはずです。

では、ここからは「月のよさ」のラベルから読み取る長崎の歴史を見てみましょう。

狂歌師・大田南畝(蜀山人)

「彦山の 上から出づる 月はよか こげん月は えっとなかばい」

こう歌ったのが狂歌(きょうか)師である大田南畝(なんぽ)です。

大田南畝肖像

ゆはな

そもそも狂歌って何だろう?

KAZU

和歌の一種で、社会風刺や滑稽なども混ぜ込んだ五・七・五・七・七で構成された歌の事。簡単に言えば、和歌のパロディといったところかな!

KAZU

大田南畝は狂歌師の中でも有名で、狂歌三大家の一人だよ。

別名は「蜀山人(しょくさんじん)」といい、こちらの名前が筆名で有名だね!こう見えて歴史は得意なんだよ~!(えへんっ)

この歌の歌碑が諏訪神社の「旧諏訪壮」前に建っています。

諏訪神社は長崎市民から「おすわさん」と呼ばれ親しまれています。長崎に行った際にはぜひ立ち寄りたいですね。

諏訪神社に建つ蜀山人の歌碑
画像引用:ナガジン

長崎弁で歌われた歌

「彦山からのぼる月の眺めは最高である。こんな月はなかなかお目にかかれない。」

先ほどの南畝の歌は長崎弁で歌われていて、訳すとこのようになります。なので、タイトルにある「こんげん月はえっとなかばい」とは…

こんげん月こんな月

えっとなかばいなかなかお目にかかれない

ということでした!意味が分かり、すっきりしましたね。

長崎弁を巧みに使い、あたたかさを感じるこの歌。南畝はきっと長崎出身の人なんだろうな~なんて思っていたのですが、違うんです。

なんと南畝が長崎に滞在したのはわずか1年間

生まれは江戸の南畝が長崎奉行に1年ほど勤めたこの期間で、長崎弁を使いこなし長崎情緒を感じる歌を歌いあげました。きっとそれだけ長崎の人や風景が好きになったのでしょう。

彦山の月の写真を投稿されているのを見つけました。本当にきれいですね…!

そして、この歌から長崎の郷土史家である越中哲也先生が命名されたのがこのお酒、

「月のよさ」ということなのだそうです。

この月を観ながら、このお酒を傾けながら想いを馳せてみませんか。といった思いがあるそうですよ。

まとめ

  • 水の都と呼ばれる島原にあり、130余年の歴史ある酒造場で造られている。
  • 究極の特別純米酒と称し、米の旨みや甘さが感じられる味わい。
  • 山崎本店酒造場HPでの購入や長崎の居酒屋などで飲むことが出来る。
  • 「月のよさ」のラベルには長崎の歴史が感じられる。

長崎のきれいな風景やあたたかさを感じられる日本酒「月のよさ」。

ぜひ長崎の地で長崎弁に耳を傾けながら、または長崎の月を眺めながら「月のよさ」を味わいたいですね。

サイト管理人プロフィール
  • 名前:KAZU
  • 正体:普段は会社員として働いている、しかし仕事をしながらも頭の中では日本酒のことしか考えていないウマヅラ男
  • 保有資格:唎酒師
  • 趣味:日本酒を飲む、日本酒を眺める、日本酒飲みながら風呂に入る、飲んだ日本酒のラベルをコレクションする
  • 覚醒のきっかけ:寒い冬の夜に飲んだ熱燗があまりにも美味しく、そこから私の日本酒愛が始まった
  • 詳しいプロフィールはこちら→【プロフィール】日本酒が変態的に好きすぎる男

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