日本酒に使われるお米とは?何と120品種以上あるんです!

日本酒の変態 KAZU

唎酒師(ききさけし)の資格を持つウマヅラの男。どうも日本酒の変態 KAZUです。寝ても覚めても日本酒のことばかり考えて生活中。

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突然ですが、日本には食用米と日本酒造りに使用されるお米があるのを知っていますか?日本のお米は農産物規格規定で定められていて、 なんと900種類以上もの品種が栽培されているんです。しかも約13%がお酒造り用の品種なんです。こんなにたくさんの品種が栽培されているなんて驚きですよね。そこで今回は、日本酒造りに使われるお米について深掘りしていこうと思います。

酒造りに使われるお米

食用米とは区別され、酒造りに使われるお米を酒米(さかまい)と呼びます。酒米は現在120種類ほどあります。酒造り用に育てられ、酒造りに適した性質を持ちます。そして、酒米の中でもトップクラスのものを酒造好適米と呼びます。酒造好適米にはいくつかの特徴があります。

酒造好適米の特徴

①大粒でしっかりしている

日本酒を造る際には、精米というお米の表面を削る作業があるが、お米の粒が小さいとすぐに砕けてしまうため粒が大きい。稲穂が高く倒れやすいなど、栽培がとても難しい。

②心白が大きい

お米の中心部。不透明な部分。デンプンが多く含まれている。心白内部は隙が多いため、麹菌が育ちやすい。

③醸造のしやすさ

麹への造りやすさ、蒸米吸収率のよさなど。

④タンパク質・脂質が少ない

食用米と比べ、タンパク質の量が少ない。タンパク質は旨味のもとになるが、多すぎると雑味にもなってしまう。脂質は香り成分が揮発するのを邪魔してしまうため少ないほうが良い。

酒造好適米の種類

酒造好適米の生産量上位3つを紹介します。皆さん1度は聞いたことがある名前が出てきますよ。

酒米の王様と称される山田錦

山田錦は1923年に兵庫県立農事試験場で「山田穂」と「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」を掛け合わせて誕生した品種です。酒米の王様と称され、大吟醸酒などの高級品に使用されます。また、西の横綱とも呼ばれます。稲穂が高いため倒れやすくて、朝と夜との寒暖差が大きいほうが良いため栽培条件がとても厳しいものです。主な生産地は兵庫県で全国の9割以上が兵庫県で生産されています。

酒米の2トップ 五百万石

山田錦と並び、東の横綱と呼ばれます。2001年に生産量が山田錦に抜かれてしまいますが、それまでは五百万石がトップでした。1938年に新潟県農事試験場長岡本場で「菊水」と「新200号」の掛け合わせにより誕生しました。しかし、第二次世界大戦の影響で栽培できなくなり1度中断されました。1957年500万石(75万トン)の生産量になり、記念として五百万石と命名されました。主な産地は新潟県です。

美しい心白のある美山錦

北アルプス山頂にかかる雪のように美しい心白があることから、美山錦と名付けられました。美山錦は、長野県農事試験場で「北陸12号」と「東北25号」を掛け合わせて誕生した「たかね錦」がもとになります。1978年に「たかね錦」へ放射処理を行い突然変異し誕生しました。主な生産地は長野県、秋田県になります。

私は兵庫県出身なのですが、田舎にいくと山田錦と書いた旗が立っている田んぼがたくさんあります。子供の頃からその旗を目にしていたため、山田錦という名前だけは知っていました。

地方別 酒米の品種

一部ですが地方別にどんな酒米があるか調べてみました。あなたの地域にはどんな酒米があるでしょうか。

地方品種
北海道 吟風・彗星
東北 花吹雪・華想い・吟ぎんが・ぎんおとめ・吟のいろは
 美山錦・雪女神・出羽燦々(でわさんさん)・夢の香
関東 ひたち錦・夢ささら・さけ武蔵・総の舞
中部 五百万石・百万石乃白・おくほまれ・越の雫
美山錦・ひとごこち・たかね錦・しらかば錦
ひだほまれ・誉富士・若水
関西 山田錦・玉栄・祝・露葉風・五百万石・いにしえの舞
伊勢錦・神の穂・弓形穂
中国 強力・玉栄・山田錦・佐香錦・雄町
八反・西都の雫
四国 山田錦・阿波山田錦・オオセト・さぬきよい・土佐錦
九州・沖縄 夢つくし・華錦・吟のさと・はなかぐら
五百万石・山田錦

お米の名前の決め方

お米の名前の決め方ですが、品種をつくった試験場で名前をつける方法と、一般の人から名前を募集する2つの方法があるそうです。試験場でつける際は、品種の特徴や親しみを持ってもらいやすい名前をつけます。「ゆめぴりか」や「つや姫」は一般公募でつけられた名前です。また昔は国の試験場でつくられたものはカタカナ、県でつくられたものはひらがなというルールがあったそうです。

まとめ

  • 酒造りのために栽培される酒米がある
  • 酒米のトップクラスを酒造好適米と呼ぶ
  • 酒米には地方によりたくさんの種類がある

日本酒を造る際のお米って食用米と同じだと思っていました。お酒のためだけに改良された酒米があり、なにより兵庫県出身なのに山田錦が酒米の王様と呼ばれているほど凄いものだとは知りませんでした。勝手に誇らしい気持ちになりました。地元で栽培されている酒米を知ると、日本酒がもっと身近に感じるかもしれませんね。

サイト管理人プロフィール
  • 名前:KAZU
  • 正体:普段は会社員として働いている、しかし仕事をしながらも頭の中では日本酒のことしか考えていないウマヅラ男
  • 保有資格:唎酒師
  • 趣味:日本酒を飲む、日本酒を眺める、日本酒飲みながら風呂に入る、飲んだ日本酒のラベルをコレクションする
  • 覚醒のきっかけ:寒い冬の夜に飲んだ熱燗があまりにも美味しく、そこから私の日本酒愛が始まった
  • 詳しいプロフィールはこちら→【プロフィール】日本酒が変態的に好きすぎる男

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