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様々なサイズで販売されている日本酒。
一升瓶(1,800ml)と四合瓶(720ml)が主流ですが、四合って何だか半端な量だなと思ったことはありませんか?
500mlや、1,000ml(1L)のペットボトルや紙パックなどはよく見かけますよね。
ワインは750mlが主流で、ハーフボトル(375ml)やマグナムボトル(1,500ml)などがあり、基準となる量から「半分」や「2倍」などキリの良い数字のものが多い印象です。
一升(1,800ml)の半分の量の五合瓶(900ml)でもいいのでは?と思いますが、なぜ四合瓶なのでしょうか。
今回は四合瓶の謎と合わせて、四合瓶購入のメリットとデメリットをご紹介します。
Table of Contents
四合瓶の読み方は?量はどのくらい?
普段から日本酒や焼酎を飲む人には馴染みのある四合瓶。何と読み、どのくらいの量なのか? また、純アルコール量はどの程度なのかビールと比較してみましょう。
「よんごうびん」「しごうびん」どちらの読み方も正しい
結論は、「よんごうびん」と「しごうびん」どちらの読み方も間違っていませんし、通じないということもありません。
前後の文脈により言いやすい方を基準に選ぶと良いでしょう。
しかし、場面によっては「しごうびん」と言うことは控えた方がいい場合があります。
忌み言葉としても取れるため、お祝いの場などでは「よんごうびん」と言う方が無難ですね。
日本酒四合の量はどのくらい?純アルコール量は?
まずは日本酒の単位を確認してみましょう。
日本酒の量を表すのに用いられている「升」や「合」は、「尺貫法(しゃっかんほう)」の容積を表す単位です。
一勺 | 18ml |
一合 | 180ml |
一升 | 1.8L(1,800ml) |
一斗 | 18L |
このように10倍ずつで呼び方が変わっていきます。
一合は180mlですので、四合は一合徳利だと4本分ですね。
徳利4本分と言えばイメージしやすいのではないでしょうか。
あまり飲めない方にとっては充分すぎる量ですし、お酒好きがふたり集まればあっという間に空いてしまう量ですね!
しかしここで疑問が生まれます。
日本酒四合(720ml)はビール720mlとイコールなのでしょうか?
答えは、飲酒量は同じですが、純アルコール量はイコールではありません。
純アルコール量とは、お酒に含まれるアルコール量をグラムで表したもので、計算式は以下のとおりです。
酒の量(ml)×アルコール濃度(%)×0.8(アルコールの比重) = 純アルコール量(g)
アルコール15%の日本酒四合の場合
720×0.15×0.8=86.4g
アルコール5%のビール720mlの場合
720×0.05×0.8=28.8g
このように同じ720mlでも純アルコール量の差は歴然です。
純アルコール量を合わせてみると、日本酒の四合はビール2,160ml(350ml缶約6本)に相当します。一度にこの量を飲む人はかなりの酒豪と言えますね。
四合という一見半端な量はどこから?
一升の5分の2の量の四合ですが、どんな理由があるのか調べてみました。
江戸時代以前の日本には、「盃(はい)」という容積の単位が存在しており、どうやらこの「盃」に由来があるようです。
当時は、大きな盃(さかずき)いっぱいにお酒を注ぎ、回し飲みをしてお酒を飲み干すことにより互いの関係を築くという文化があり、「一盃 = 約四合」であったことから、日本酒は四合で1単位という考えが定着していたようです。
豆知識
現代においても盃を使ってお酒を酌み交わす文化は残っています。例えば神前式(神社などでの結婚式)での三々九度(さんさんくど)もそのうちのひとつです。
三々九度では、夫婦となる男女がサイズの違う3種類の盃を使い、交互に御神酒(おみき)を口にします。血縁関係にない人同士の人間関係をより強固にするための儀式は受け継がれ続けています。
日本酒はなぜ四合瓶が多いの?
古くから一升瓶がスタンダードだった日本酒ですが、四合瓶が生まれたのは明治時代。
主に上海や朝鮮などへの少量輸出用や、博覧会への出展用に四合瓶の日本酒がつくられたようです。
一般家庭での日本酒消費量の減少や、瓶よりも軽くて扱いやすいペットボトルの普及によって、大きくて重たい一升瓶の需要は減りつつあり、逆に四合瓶や300mlなど少量の日本酒の流通量が増えています。
また、フレッシュな味わいや香りを楽しめる生酒の流通量の増加にも要因があります。
輸送技術の発達により、全国に流通するようになっていった日本酒。しかしながら、火入れをしない生酒の保存期間は短いため、フレッシュなうちに飲み切れる量の四合瓶が増えた、というのも理由のひとつです。
豆知識
ワインボトルは750mlが世界基準ですが、日本ワインは720mlで販売されているものが多いのは四合瓶に由来しています。
日本でワインが作られだした頃、既に存在していた四合瓶を使った方がコストが抑えられるという理由から、720mlで生産されるようになりました。そのなごりで、日本ワインは720mlのワインボトルで販売されているものが現在も数多くあります。
四合瓶で購入するメリットとデメリットは?
先ほどは輸送の観点から四合瓶増加の要因をお伝えしましたが、次は消費者である私たちが四合瓶の日本酒を購入するメリットとデメリットを整理してみましょう。
短期間で飲み切れる
せっかく一升瓶の日本酒を購入しても、よっぽどのお酒好きでない限り余らせてしまうこともしばしば。日本酒に明確な賞味期限がないとはいえ、おいしく飲める期間の目安はあります。
開栓後に関しては、1週間もすれば確実に味が劣化してしまいますので、購入をためらってしまうこともありますよね。
四合瓶の日本酒であれば、一升瓶の半分以下の量ですので、一升を飲み切るよりも劣化が進む前に飲み切れますね。
保管に便利
四合瓶のサイズは高さが約30cm、瓶底の直径が約8㎝ほどです。高さはA4用紙の長辺くらいと言えばイメージしやすいのではないでしょうか。
日本酒は劣化を防ぐため、縦置き・冷暗所の保管が基本ですので、家庭での保管場所は限られてきますよね。
冷蔵庫のドアポケットにきれいに収まるのが四合瓶のいいところです。とはいえ、一日に何度も開け閉めする冷蔵庫のドアポケットは、温度が不安定になりますので最適な保管場所とは言えません。早めに飲み切るようにしましょう。
No.6シリーズなどが人気の新政酒造(秋田県)は、現在は四合瓶を主として販売していますし、油長酒造(奈良県)の風の森シリーズは四合瓶のみの販売に移行されました。
短い保管期間を前提とし、少量化することで、日本酒をより美味しく飲んでもらいたいという製造者の想いが伝わってきますね。
四合瓶(720ml)を主体として
販売しています。
—— 日本酒は酸化を防いで保管される必要があります(例えばワインでは「亜硫酸塩」をはじめとした酸化防止剤が使われますが、日本酒では用いることはできません)。日本酒の生酒や吟醸酒など、フレッシュさや繊細さが魅力である酒については、特に酸化に気を使う必要があります。一般的に、こうしたいわゆる「冷酒」向きのお酒は、開栓前後にかかわりなく冷蔵庫で保管し、開栓後はすみやかに飲みきることをおすすめします。このため当蔵は酒質管理の観点からほとんどの酒を四合瓶で提供しています。
引用元:当蔵の方針|新政酒造株式会社オフィシャルサイト
一升瓶に比べると割高
四合瓶で購入するデメリットと言えば、一升瓶での購入に比べて価格が割高になるところです。
たくさん量が必要な場合、例えば、お祝いの席やお正月などのたくさん人が集まる時などは、できるだけ安く済ませたいですよね。
まとめ
- 四合瓶の読み方は「よんごうびん」「しごうびん」どちらも正しい
- 純アルコール量で比較すると日本酒四合=缶ビール(350ml)約6本分
- 「一盃=約四合」から「四合で1単位」という考えが定着した
- 四合瓶で購入するメリットは「短期間で飲み切ることができる」「保管がしやすい」
- デメリットは一升瓶に比べて割高になるところ
コロナ禍において家で晩酌することも増え、四合瓶のニーズはさらに増加したように感じます。美味しくいただく為に保管に気を付け、日本酒を楽しみたいものですね。
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- 名前:KAZU
- 正体:普段は会社員として働いている、しかし仕事をしながらも頭の中では日本酒のことしか考えていないウマヅラ男
- 保有資格:唎酒師
- 趣味:日本酒を飲む、日本酒を眺める、日本酒飲みながら風呂に入る、飲んだ日本酒のラベルをコレクションする
- 覚醒のきっかけ:寒い冬の夜に飲んだ熱燗があまりにも美味しく、そこから私の日本酒愛が始まった
- 詳しいプロフィールはこちら→【プロフィール】日本酒が変態的に好きすぎる男
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唎酒師(ききさけし)の資格を持つウマヅラの男。どうも日本酒の変態 KAZUです。寝ても覚めても日本酒のことばかり考えて生活中。
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