【プロ直伝】熱燗をレンジで作るとまずい?簡単でおいしく作るコツを解説

日本酒の変態 KAZU

唎酒師(ききさけし)の資格を持つウマヅラの男。どうも日本酒の変態 KAZUです。寝ても覚めても日本酒のことばかり考えて生活中。

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寒くなってくると身体が温まるものが食べたくなりますよね。鍋やおでんを食べながら、日本酒も冷酒から燗酒に切り替えながら飲み始めているのではないでしょうか。しかし、自宅で熱燗って少しだけハードルが高いですよね。

実は熱燗って「ただ温めるだけ」というようにはいかなくて、意外と奥が深いんです。当ブログでは、熱燗についての記事も多く掲載していますので、こちらもご覧いただけると幸いです。

自宅で熱燗を飲みたいと思った時に「簡単に熱燗を作る方法ってないのかな」「レンジで熱燗を作っても大丈夫なのか」と思ったことはないでしょうか。なにも知らずにただ日本酒をレンジに入れて熱燗を作ろうとすると、失敗の確率が大きく上がります。

そんなときに自宅でも失敗せずに燗酒を楽しむ方法を知っておけば、これから自宅で楽しむ日本酒生活が更に豊かになりますよね。今回の記事を見て、おいしくて簡単に楽しめる熱燗を学んでいきましょう。

本記事で知れる事

【電子レンジで作る熱燗は本当にまずいのか】

【レンジでおいしい熱燗をつくる方法】

【熱燗と相性の良いお酒】

この記事を見終わる頃には、レンジでも熱燗も手軽にできて日本酒の知識も学ぶ事ができるので、美味しい熱燗を飲んでいることでしょう。

熱燗をレンジで作るとまずい?おいしいコツは?

熱燗をレンジで作ると、味わいがトゲトゲした味に変わります。その結果として「まずい」と感じる人が多いです。実際に私も試したことがありますが、ピリピリして香りが飛んでいたので、私も好みの味わいではありませんでした。

「逆にそれがいい‼︎」という人もいるので一概にまずいとは言えませんが、ここまで見た方は「レンジで作るとやっぱりまずいのか」という印象を受けると思います。しかし、あるポイントを注意することで美味しく作れるようにもなりますよ。

レンジで作る熱燗がまずい理由

電子レンジを使用すると熱燗がまずくなってしまう原因として大きく考えられることは温度の急上昇と徳利の形状による温度差が起こる事です。電子レンジで加熱を行うと温まりすぎて香りや旨味が飛んでしまう事が考えられます。

補足として、熱燗とは温度が60度前後の「燗酒」を表す言葉で、燗酒は日本酒の温度によって呼び方がかわります。熱燗より熱くした日本酒は飛び切り燗といい、65度前後ですのでこれ以上温めてしまうとアルコールは揮発されておいしさが失われてしまいます。

また、徳利の特徴は首元がくびれた形状ですが、レンジで加熱すると細い首元から温度が上昇していくので、内部で温度差が生まれてしまう為全体的にムラができ美味しくなくなる事も多くあるので注意が必要です。

日本酒の温度によって変わる呼び方についてはこちらの記事で詳しくまとめているので、良ければこちらも参照していただければと思います。

レンジでおいしい熱燗をつくるコツ

熱燗をレンジで作ると「まずい」と言われますが、そもそも作り方が間違っている可能性があります。日本酒を器に入れて、レンジでそのまま一気に温めるやり方をするとまずくなりやすいです。

わたしも同じように温めていましたが、やはりトゲトゲしい味になってしまいました。熱燗をレンジでおいしく作るコツは大きく分けて2つで、「温度に気を付ける」「ムラを無くす」です。

わたしもこの2つを意識してから、レンジで作る熱燗の味わいが格段に美味しくなりました。この2つのポイントを注意するだけで美味しい熱燗が作れますので詳しく見ていきましょう。

温度

レンジで熱燗を作る時に重要なのは温度です。その理由は、温度により舌触りや香りが変わってしまう事と、最初から熱々にするとピリピリとした舌を刺激する味わいが前面に出てしまうからです。最初から熱々にせず、徐々に温める方が美味しく熱燗を味わえます。

また常温の日本酒を電子レンジで温める時は、熱燗は60秒、ぬる燗は50秒、人肌燗は40秒程度を目安としてください。こちらは500Wの電子レンジで日本酒1合を温めた場合ですが、レンジの性能や日本酒の保存状態によって変わるのでお気を付けください。

また、温度は見た目や触った感じで測る事も可能です。予想以上に熱くなっていることもあるので火傷に気を付けてくださいね。とくに湯気の有無はわかりやすいので覚えておきましょう。

燗酒の目安

人肌燗…人肌と同じくらいの温度

ぬる燗…お風呂くらいの温度

上燗…注ぐときに湯気が立つくらい

熱燗…注ぐ前から湯気が立っている状態

飛びきり燗…素手で容器を持てないくらいの状態

湯気の有無はとくにわかりやすいので覚えておきましょう。

ゆっくりと時間かける

電子レンジでの熱燗がまずくなってしまうのは、急速に温度を上げる事が要因であると考えられます。湯煎で温める際も5分程度かけてじっくりと温めています。同じように、電子レンジでもじっくりと温める事で風味を残したまま熱燗を楽しむ事ができます。

まず、500Wで20秒ずつ温めてみてください。20秒経過する毎に混ぜて温度が均一になるようにするだけで日本酒の味は全く違うものとなります。熱燗を作る時は温度が重要になりますが、温度上昇も気にかけると良いでしょう。

少し熱くして少し冷ます

電子レンジで温める場合、日本酒の温度は急激に上昇するので香りと味は荒く感じ、アルコールも揮発されることで強く感じやすくなります。その日本酒を少しだけ冷やすことで香りと味が落ちついた印象になり、飲みやすくなります。

ポイントは飲みたい温度のプラス5℃くらいに温めてから、水をはったボウルなどに容器ごと入れて冷やす事です。こうすることで温度上昇によって荒くなった日本酒の味がまろやかになり落ち着きます。

ムラを無くす

日本酒をレンジで温める場合、温める形状によっては全体的に温まるのではなく局所的に温まっていきます。その場合、温度にムラができてしまい味わいが安定しない熱燗になってしまいます。

また、アルコールも温度の高いところから揮発していくので味わいにもムラが出やすいです。この問題を解決するには《容器を変える》《マドラーを使う》という方法があります。

①酒器を変えてしまう

徳利は首元が細く長い形状をして温度差が起きやすいので、「片口」といわれるお椀状の酒器を使用すると電子レンジでもムラになりにくいのです。マグカップなども使用可能ですが、酒器に移す際に温度が下がるので少し高めに温めると安定します。

②マドラーを使う

温度差がある状態をしっかりとマドラーを使用して均一な温度に調整しましょう。そうすることでレンジによって高温になった日本酒の温度が下がり、荒くなった味がまろやかで落ち着いた味わいになる効果があります。

レンジ以外で熱燗を作る方法とは?

熱燗を作るときにレンジ以外で作る方法は存在します。もっともメジャーな作り方は《湯煎をする》方法で、他にも《蒸し器を使う》方法があります。この方法を覚えておけば、レンジ以外で熱燗を作る時に応用できるかもしれませんね。

ポイントはレンジよりも時間をかけてじっくり温めていることです。

湯煎

湯煎は鍋にお湯を入れて、その中で日本酒を温める方法です。正直わたしが熱燗を楽しむ方法としてはこれが1番オススメです。今でも家で「熱燗を飲みたい…」と思った時は、湯煎で温めて飲むことが多いです。

湯煎で温める事でピリピリした舌触りもなく、日本酒の香りが楽しめ雰囲気もでるのでオススメです。美味しく作るコツは最初に鍋の水を温め過ぎないこと。日本酒の温度を急激に上げない事を心がけましょう。

やり方
  1. 鍋に水を入れる
  2. 水を70〜80度くらいまで温める
  3. 徳利やちろりなどの細長い容器に日本酒を移す
  4. 日本酒が入った容器を鍋の中に入れて温める
  5. 1〜2分ほど待つ
  6. 完成

これで完成です。温度帯については燗酒の目安をご参考お願いします。結構簡単にできるので是非挑戦してみてくださいね。

蒸し器を使って蒸す

蒸し器の中に日本酒を入れて蒸しながら温める方法です。高温で蒸す為、辛口になるのが特徴ですが、湯気で温めるため香りも逃げにくいです。火力を調整してじっくりと蒸していきましょう。

温度を上げ過ぎてしまうと味が変わってしまうため、ぬるま湯になるくらいに調整すると美味しくなります。わたしも一度、蒸し器での熱燗を飲んだ事があります。なかなか蒸し器をお持ちの方は少ないですよね、試してみてくださいね。

やり方
  1. 徳利やちろりに日本酒を移す
  2. 蒸し器に入れて温める
  3. 完成

熱燗と相性のいい日本酒は?

日本酒は様々な種類があるので、最初にどの日本酒を選べばよいのか悩ましいですよね。あくまでも目安ですが、ぬる燗の時は純米酒を熱燗の時は本醸造の日本酒を選ぶことをおすすめします。理由は、純米酒はぬるめに温める事でお米の香りが一層引き立ち、うまみが増すからです。

実際に私も飲んだことがありますが、純米酒を楽しむ場合はぬる燗くらいが1番美味しいと感じました。熱燗から飛び切り燗の場合は本醸造の日本酒がおすすめです。添加されているアルコール成分が温度上昇に強い事と、しっかりとして辛口の味わいを引き立たせてくれるからです。

まとめ

  • レンジで温めるとまずい熱燗は、急激に温めたもの
  • レンジを使用してもじっくりと温める事でおいしい熱燗を作ることは可能
  • 注意するポイントは2つで【温度】【ムラ】
  • レンジ以外にも、湯煎や蒸し器を使用した作り方がある
  • ぬる燗であれば純米酒、熱燗以上は本醸造酒がおすすめ。

レンジで熱燗を作る時は500Wで20ずつ徐々に温めましょう。個人的にオススメなのは、湯煎ですが、お手軽という部分ではレンジに軍配があがりますね。お好みの飲み方で日本酒を楽しんでいただけたら幸いです。

サイト管理人プロフィール
  • 名前:KAZU
  • 正体:普段は会社員として働いている、しかし仕事をしながらも頭の中では日本酒のことしか考えていないウマヅラ男
  • 保有資格:唎酒師
  • 趣味:日本酒を飲む、日本酒を眺める、日本酒飲みながら風呂に入る、飲んだ日本酒のラベルをコレクションする
  • 覚醒のきっかけ:寒い冬の夜に飲んだ熱燗があまりにも美味しく、そこから私の日本酒愛が始まった
  • 詳しいプロフィールはこちら→【プロフィール】日本酒が変態的に好きすぎる男

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